はじめに
みなさんこんにちは
元防大生のKです。
今回の記事では、以前解説した防衛大学校の指導に関する記事をまとめて載せようと思います。
以前の記事からの変更点もありますので、是非最後までお読みください。
前回の記事では、防衛大学校の日夕点呼についてまとめました。
まだお読みになっていない方は下のリンクから是非お読みください!
それではどうぞ!
シバきの文化
今まで書いてきた記事の中でも多く出てきましたが、防衛大学校には様々なシバき指導が存在します。
指導の内容は多岐にわたり、比較的軽い指導から相手を退校まで追いやるレベルの指導まであります。
現在では表向きには退校まで追いやるレベルの指導は禁止されていますが、実際には依然として存在します。
今回はそんな防衛大学校の指導を1つ1つ紹介していきたいと思います。
なお、今回紹介する指導は全て私自身が体験、もしくは話を聞いたものであるので、他にもこんな指導があると知っている人はコメントで教えてください。
それではどうぞ!
指導の恐ろしいところ
次にこれらの指導の恐ろしさについて解説します。
指導は単体でも非常に厄介なものですが、指導にはそれ以外にも2つの厄介な点があります。
1つ目は、”指導は複数個同時に受けることがある”というものです。
呼び出し以外の授業は基本的に解除までに短くても3,4日、長いと二週間近くかかり、その間に追加で指導を受けると複数の指導が混在する状況になってしまいます。
例えば、ある部屋を出禁になっている最中にドラゴンボールが発生すると、他の同期にその部屋に行って物を取り行うといってもう必要があります。
それらの同期に迷惑をかけることが重なっていくことで同期との仲が悪くなっていってしまいます。
2つ目は、“指導によって同期との関係が悪くなってしまう”ことです。
これが指導の一番大きな問題と言っても過言ではありません。
防大生にとって同期の絆は非常に大事なものであり、防大での 奴隷期間 一学年を乗り切るには同期の絆が必要不可欠です。
そんな同期間の絆にヒビが入ってしまうことで同期に頼み事などをするのをためらってしまい、だんだん自分のことに首が回らなくなっていってしまって、防大を辞めてしまう学生が多くいます。
一応完璧に清掃などの仕事をを行うことができれば指導はされないのですが、特に入校したての4,5月やヘルウィークの際には一学年をビビらせ、上下関係を明白にするために事あるごとにイチャモン付けられて指導されます。
完璧に行うといってもストレスが非常に溜まり、時間にも追われる環境下でいつも完璧に物事を行うことは人間にはできません。
結果的に一学年は確実に指導を受けるという結果に陥ってしまうのです。
これが防衛大学校のシバきの恐ろしい所です。
次の章からは実際のシバきについて解説していきます。
呼び出し
最初に紹介するのは、上級生からの“呼び出し”です。
この指導は防大の指導の中でも比較的多く行われており、時間が無くてその場での指導ができない時や、1学年がその場で指導するレベルを超えたやらかしをすると上級生に呼び出しを食らいます。
1学年は呼び出しを受けると、指導を受けた上級生の部屋まで直接赴き指導を受ける必要があります。
そんな呼び出しの方法には2つ種類があります。
1つ目は、“直接呼び出し”です。
直接呼出しとは、指導者である上級生に指導されている最中に「部屋に来い」と言われて起こる呼び出しです。
直接呼出しは、直前まで何らかの指導を受けている最中に何らかの理由で指導が続けられなくなったときに言われることが多いです。
2つ目は”間接呼び出し”です。
間接呼び出しとは、指導する上級生に対面で「部屋に来い」と言われるものでなく、部屋前にあるホワイトボード(部屋のどの机が誰のものなのかを書いてある)に「〇〇(←被呼び出し者)、▢▢▢号室まで」という風に書かれます。
こちらは、スマホや財布などの貴重品をテンキーに入れずに放置した際などに呼び出される都が多いのですが、呼び出しの理由まではホワイトボードに書いていません。
そのため、なぜ呼び出されたかを自分で考える必要があり、ここが前述した直接呼出しとの決定的な差です。
間接呼び出しに応じたときには、必ずなぜ呼び出されたのかを聞かれるので必ず考える必要があります。
こららの二つの呼び出しに共通する厄介な点は、指導自体はそこまできついものではないのですが、呼び出された際はどちらも上級生の部屋まで行かなくてはならないということです。
防衛大学校では、自分の部屋以外に入室する時は“入室要領”と呼ばれる部屋の入室動作を行う必要があり、入室要領は非常に細かく決められています。
入室要領では、部屋に入る際のドアの開け方や体の向きが非常に細かく定められており、さらには基本動作と呼ばれる回れ右や敬礼などの練度(一つ一つの動作の速さやキレ)も実際の部隊以上のレベルが求められます。
この入室要領をミスると「やり直せ」と言われ部屋に入ることが出来ないのは勿論、別の上級生から呼び出しを食らったり、最悪の場合はその部屋の“出禁”を食らうことがあります。
入室要領と出禁についてはまた後で解説します。
このように、呼び出し自体はそこまでキツいものではないのですが、他の指導を食らう可能性があり厄介なものになっています。
原因と対策
次に紹介するのは”原因と対策”と呼ばれる書類です。
これは実質的には、現在防大では禁止されている反省文であり、“指導を受けた側が自主的に作成している”という建前で存在しています。
公式でもこんなこと言ってますが全然存在します。
内容は、指導を受けた原因と対策を項目を分けて書いたものになっています。
この指導の厄介な点は、不注意や不可抗力によって起きた事でも、具体的な対策を考えなければならない事です。
これらの避けられない事でも、机に「○○注意!」などを書いた紙を入れたり壁やドアに貼るなどの具体的な対策を考えなければなりません。
例えば、私が実際に作成した”清掃中に箒の持ち方を間違えた際の原因と対策”では、「箒の持ち方を注意する」という対策を、
・「「箒の持ち方注意」と書いた紙を清掃用具入れと箒に貼り、清掃用具を取り出す際や清掃前に確認できるようにする。」
・「箒の正しい持ち方を写真に撮り、中隊のライングループで共有し、中隊間での情報共有を行う。」
・「昼休みや空きコマの時間を利用して、居室と寝室の箒掛けを行うことで箒のかけ方を徹底する。」
・「清掃前に箒のかけ方の確認を実際に箒を持った状態で行う。」
と複数の具体的な対策を示す必要があります。
この原因と対策の書類は、作成した後に指導を受けた上級生に提出する必要があります。
その際ももちろん上級生の部屋に入室要領を行う必要があり、前述したように指導や呼び出しを受けるリスクが伴います。
そして、入室要領をくぐり抜けて書類を提出しても、ひとつの誤字や改行ミス、内容が具体的なものではないなどのケチをつけられ不備点を指摘され大抵再提出となります。
不備点には以下のようなものがあります。
・文字数が足りない(大体800字以上)
・誤字・脱字がある
・対策の数が足りない(対策は3個以上必要)
・対策が具体的なものでない(“〇〇に気を付ける”などはNG)
・対策が上級生の気に食わない
などの多くの基準が存在します。
再提出を受けると書類をもう一度作成する必要があり、自身の時間が更に削られてしまいます。
解雇
防衛大学校には、解雇という指導があります。
解雇も公には禁止されている指導なのですが、実際は全然存在します。
こちらは名前を変えるなどの対策が取られることもなく、普通に解雇として存在しているのが驚きです。
この指導は清掃解雇、部屋解雇など様々な種類があります。
大体の解雇は名前の前についている事が出来なくなるというもの(清掃解雇・容儀点検解雇など)です
解雇を食らうとそれに関わる全てのことが出来なくなるので、同期に自分がやるはずの作業を代わりにやってもらうことになり非常に迷惑がかかります。
結果として、それが同期間の人間関係の悪化や自身の自己嫌悪に陥り防大を辞めるきっかけになってしまいます。
これらの解雇のほかにも、何個か特殊な解雇があるのでそれを紹介します。
1つ目に部屋解雇です。
部屋解雇とは、自身の部屋の部屋長から言い渡されるもので、自身の部屋に入る際も入室要領をおこなわなければならなくなります。
入室要領では、その部屋の敬礼対象(大体は部屋長の4学年)に入室する要件を申告する必要があるのですが、部屋解雇の指導を受けている際には”私の机に要件があり参りました”という 馬鹿馬鹿しい 要件を申告する必要があります、
もちろん自分の部屋に入る時も入室要領について指導され、何度もやり直しになるので非常に面倒臭いです。
2つ目に指導解雇です。
指導解雇は、自分が出来なくなるものではなく上級生から指導されなくなるというものです。
一見自分に得しかないように思えますが、これには非常に大きな”落とし穴”が存在するのです。
それは、”自分が受けるはずの指導を、全て同部屋の1学年が受ける”というものです。
同部屋からすれば、自身が全く関係ないにもかかわらず呼び出しなどを受けるため理不尽極まりないものです。
これによって同部屋での人間関係がどんどん悪くなってしまいます。
最後に紹介するのは”全解雇”というものです。
全解雇を受けると1年生が行う全てのことが出来なくなります。
掃除や消灯点検は勿論、指導を受けることも出来ないので解雇解除のお願いをしに行く時も同期に頼む必要があります。
しかも解雇は通常解除されるまでに短くても1週間ほどかかるので、その間に人間関係がどんどん悪くなってしまいます。
結果として、解雇を受けて辞めてしまうという1学年が多くいるのが現実です。
前述した通り、解雇を受けると解雇解除のお願いをする必要があります。
解雇解除のお願いしに行く時には、前述した原因と対策の書類を書く必要があり、書類作成にも多くの時間がかかります。
さらに、解雇解除のお願いをしに行っても、大抵は1回では解除して貰えません。
解雇解除のお願いをする際にも上級生の部屋に入室要領を行う必要があり、指導や呼び出しを受けるリスクが伴います。
これで解雇の解説を終わります。
次のページでは、防大のシバきの中でもマイナーなものを紹介します。



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